第23回総会学術大会へのお誘い

実行委員長 宮崎吉春

金沢で本学会の前身である第8回核医学技術研究会総会が開催されて、早15年。この15年で古都金沢も整備され、魅力ある街に変わりました。核医学も製剤、装置ともに進歩しました。特に当時は考えられなかったPETが普及し、夢の製剤であるFDGも保健診療が認められ、近く製剤も発売されようとしております。当地区においても、日本で最初の第3セクターによるFDG供給基地が完成し、出荷を待っています。

さて、第23回総会は、金沢の中心地の前田利家を祀る尾山神社前の金沢市文化ホールで開催いたします。文化ホールは、北陸一の繁華街香林坊‐片町界隈にあり、名園兼六園や金沢城へも徒歩で散策できる位置にあります。

今回のメインテーマは、「医療を生き抜く優しい核医学技術」で、21世紀の医療に貢献できる核医学技術とは何かを議論したいと思っております。そのため、今注目を浴びているFDG-PET関連の講演、卒後教育、シンポジウムなどを企画いたしました。また、実行委員会の特別企画として「よろず相談コーナー」を開設します。北陸から種々の脳血流定量法が提唱されました。北陸を訪れたからには脳血流定量法を完璧にマスターして頂こうと、日頃会員の皆さまが持つ脳血流定量の悩みを解消して頂くコーナーです。コーナーには、MS、ARG、NIMS、Patlak plotおよびBUR法の5名の達人が相談を受けます。しかし、決して堅苦しいものではなく、気軽にコーヒーでも飲みながら日頃の悩みを打ち明け、悩みを解消し明日からの実践に役立てて頂きたいと思って企画しています。

海外招待講演は、SNMT会長のFrances K. Keech先生にPET先進地である米国の「CT-PETの現状と技師の役割」を講演願います。特別講演Tは、地元金沢大学の利波紀久教授より「核医学診療・新世紀の展開」について、夢と希望を含めて講演して頂きます。特別講演Uは、福井赤十字病院の野口正人副院長より「クリニカルパス、医療のIT化は病院に何をもたらすか?」と題し講演して頂きます。

文化講演は、プロが選ぶ旅館百選で23年間連続日本一を堅持されている地元和倉温泉加賀屋の小田禎彦会長より「日本一への道のりとその責任」と題し講演して頂きます。能登の小さな温泉地の小さな温泉旅館が、日本一を目指し、それを成し遂げ、更には私達の会と同じ23年間もその座を保持されている努力と責任を話して頂きます。私達も、医療界ではまだまだ小さな分野ですが、何れは医療界の星になろうと日々努力しています。ぜひ加賀屋さんの教えを参考に、夢を実現しようではありませんか。

懇親会は、「静と動の郷土芸能」で金沢の今宵のひと時を楽しんで頂くよう設定致しました。誰でも気軽に参加して頂けるよう企画しましたので、ぜひ参加頂けるようお願い致します。また、当日は近くの犀川で花火大会も予定されていますので、懇親会後もお楽しみ頂けると思っています。

パネルディスカッションは、「乳がんにおける放射線診療の現状と展望−治療に役立つ連携とは−」と題し、金沢大学の津川浩一郎先生と福井県立病院の西出裕子先生の進行下で、マンモグラフィ、MRI、RIのパネラーの方々に講演とディスカッションをして頂き、それぞれの長所を活かした医療の連携法を導いて頂きます。

卒後教育プログラムの基礎講座 I は、「PETの基礎」を国立循環器病センターの岡 尚嗣先生にPETを分かり易く説いて頂きます。II では、「SPECTの定量評価のキーポイント−脳に関して−」を旭川赤十字病院の増田安彦先生に脳血流定量解析のノウハウを説いて頂きます。III は、「核医学装置の安全管理−核医学装置の安全性の保守点検について−」を東京慈恵会医科大学の平瀬 清先生に説いて頂きます。Wでは「RI管理技術−空間線量測定の実際−」の中で空間線量測定の実際を千代田テクノルの寺中朋文先生に分かり易く説いて頂きます。

シンポジウムは「クリニカルPETに期待するもの」と題し、福井医科大学の米倉義晴先生と杉本勝也先生の進行の下で、もうそこまで来ている「一般市中病院でのPET診療の全て」について討議して頂きます。これに参加すればFDG-PETの全てが分かって頂けるものと思っております。

このように我々実行委員は手作りでありますが、魅力あるそして有益である大会にしようと努力しております。ぜひ、参加頂けますようお願い申し上げます。