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The Japanese Society of Nuclear Medicine Technology

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信頼される医療技術をめざして

                   日本核医学技術学会 学会長 福喜多 博義


 本学会は、学術探求の場として、また社会に貢献できる学会として、その使命を果たすべく活動を行っている。医療技術は日進月歩であり、画像診断装置をはじめとした先端医療機器の開発や薬剤の開発により精度の高い且つ安全な医療が提供できるようになった。核医学分野においてもPET装置とCT装置を一体化したPET/CT装置により今までの機能診断から形態情報を付加したより精度の高い画像診断が可能となった。そして99mTcを中心とした放射性薬剤を用いた「核医学」イメージングから細胞や遺伝子レベルの診断を行う「分子」イメージングへと展開しようとしている。このような環境の中で、核医学技術を専門とする本学会が、今求められる目標に向かって2000年宣言に掲げる理念に基づいて行動を起こさなければならない。

核医学画像の標準化は本学会にとって大きなテーマとして位置付けている。特に、がんの早期発見と治療効果判定に威力を発揮しているPET検査が、この5年間で急速に普及したのに伴い、PET撮像技術と品質管理についてのガイドラインの策定を進めている。

核医学専門技師認定機構による専門技師認定試験が行われ、いよいよ3学会1団体で認定された専門技師が誕生することになった。全国に少なくとも1施設1名の専門技師を配置することにより、核医学の発展を支え国民の医療が安全に遂行されるよう努力し、それが社会的に評価された学会として歩むべき道であろうと考えている。

26年間の歴史を積み重ねた本学会が、長年模索してきた核医学会との合同開催を2年後に予定している。米国でみられるSNMとSNMTとの関係が日本版として可能であるか、会員相互で十分に議論を重ねて頂きたい。また国際事業として、わが国が米国、欧州、に次ぐ核医学先進国であり、核医学技術を通じた国際の場での貢献を積極的に進めなければならない。

最後に、グローバルな情報社会にあって、ホームページを通じた核医学の最新情報の発信と機関紙「核医学技術」の発行を通じて、会員相互のスキルアップに繋がることを期待している。